020 日本の税率は高いのか?

1. 先進国の税収を可視化してみる

前回は、OECDのデータを元に、本当に日本の中小企業は多いのか、について取り上げてみました。
日本には実に300万社近くの企業が存在するという事がわかりました。
そのほとんどは中小企業ですので、300万人近くの中小企業の「社長さん」が存在する事になります。
このブログは、そういった経営者さんに是非読んでいただき、将来の事業について一緒に考えていくきっかけになればと思っています。
もちろん従業員として働いている方や、これから起業を考えている方にも是非参考にしてもらえれば嬉しいです。

今回は皆さんも関心が高いと思われる税金についてです。

税金と聞くと、私はあまり良い印象を持ちません。
なんだか、余分にお金を取られるイメージですね。
企業経営者の方でも、税金をなるべく納めないで済むように、節税対策ばかり躍起になる方も見受けます。
一方自分たちの納めた税金が広く社会に役立てられるのであれば、社会貢献という事では税金を納める事は意義のある事だと考える方も多いのだと思います。

それでは、まず日本の税金は世界的にみて高いのでしょうか、低いのでしょうか。

税収 内訳 OECD

図1 各国の税収内訳 2016年
(OECD統計データ より)

図1はOECD36か国の2016年における税収の内訳を示します。
数値は各国のGDPに対する税収の割合を%で示してあります。
国によって税の名称などが異なりますので、あくまでもOECDの区分通りとしています。

酒税やたばこ税なども消費税の中に含まれています。
また、社会保障負担も税としてカウントしています。
1位のアイスランドは実にGDPの半分以上(51.6%)が税収となっていますね。

税収 対GDP比 36か国中
2016年 単位:%
1位 51.6 アイスランド
3位 45.4 フランス
7位 42.5 イタリア
14位 37.3 ドイツ
21位 32.7 カナダ
22位 32.6 イギリス
26位 30.6 日本
31位 26.2 韓国
32位 25.9 アメリカ

デンマーク(46.0%)、フィンランド(43.9%)、スウェーデン(43.9%)の北欧諸国もやはり高い水準です。
G7ではフランス(45.4%)、イタリア(42.5%)、ドイツ(37.3%)の水準が高いですね。
日本は30.6%で26番目の水準、アメリカに至っては25.9%で32番目の水準です。

日本やアメリカは、GDPの割合から見る総合的な税率という意味では、先進国の中でも低い水準と言えそうです。
アイスランドの財産税の高さがことさら目を引きますが、上位の国のほとんどは社会保障負担の割合が高いですね。

気になる法人税については、次のような順位です。

法人税 対GDP比
2016年 単位:%
1位 4.9 ニュージーランド
7位 3.7 日本
8位 3.6 韓国
12位 3.4 カナダ
18位 2.7 イギリス
27位 2.1 イタリア
28位 2.0 フランス
29位 2.0 アメリカ
30位 2.0 ドイツ

この数値はあくまでも税収のGDPに対する割合ですので、法人税率を表すものではありません。
日本は3.7%で、比較的他国と比べると高い割合のようです。

各国のバランスを眺めると、税収の内訳として多いものは、①消費税、②社会保障負担、③所得税、④法人税、⑤財産税といった順番が多いように見受けられますね。
①~③は圧倒的に多いですが、④法人税からは各国とも大した割合ではない事がわかります。

2. インパクトが大きいのは実は法人税ではない!

税収 詳細積上 日本

図2 税収内訳の推移 日本
(OECD統計データ より)

それでは、日本の税収についてもう少し詳細を見てみましょう。
図2はOECDのデータのうち、日本についての推移を示したものです。
1990年から直近の2016年までをグラフ化しています。

1990年と2016年を比べると、所得税、法人税は下がり、社会保障負担、消費税が増えています。
なかでも社会保障負担が大きな割合を占めていることがわかりますね。
しかも少しずつ増加傾向のようです。

経営者の皆さんの気にされる法人税については、直近ではGDPの3.7%に過ぎません。
法人税率が引き下げられてきた経緯もあり、1990年で6.3%と比べるとかなり水準が低下していますね。

3. 従業員の雇用と給与アップで経済は回る!?

ここで考えてみたいのですが、税収のうち所得税や社会保障負担は企業が労働者を雇用し、給与を支払う事で発生します。
法人税は、売上から、事業活動で必要となった仕入れや経費などを引き、残った税引前の純利益に対してある割合で課されます。
社会全体でどちらのインパクトの方が大きいかというと、当然、所得税+社会保障負担ですね。

これは事業で利益を出すのではなく、従業員を雇用する事で生まれ、給与を上げる事で増えます。
結局のところ私達企業経営者にとって、「付加価値を生み出せる事業活動を通じて従業員を雇用し、給与を上げる事」が社会貢献にも繋がっていくように思います。

当然ですが、労働者は消費者でもありますので給与が上がる事で、生活のための消費も増えていきますね。
消費が増えれば経済も成長します。
経済が成長すれば、自然と税収も増えていく仕組みと言えそうです。

特に自分自身がオーナーでもあるような中小企業経営者は、長いスパンで経営計画を考えられます。
事業の利益ばかりではなく、事業活動の意義について考えてみても良いように思いました。

皆さんはどのように考えますか?

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