EX05 GDPの推移を見てみよう!
1. 日本のGDPの推移
ニュースや他の経済サイトでは、年率換算や前年同期比などが主に取り上げられていますね。
実質GDPで年換算3.4%のマイナスなどとも報道されています。
本ブログでもGDPの数値については、定点観測的に取り上げていきたいと思います。
基本的には短期的な推移や今後の見通しよりも、長期推移の中での数値を取り上げていきたいと思います。
扱う数値も物価変動を加味しない、名目値を追っていきます。
現在の日本のようなデフレ状況において、物価変動を加味した実質値を扱うと、実態が見えにくいと考えるためです。

図1 名目GDP 年度 積上(2019年度は5/18速報値)
(内閣府 統計データより)
まず図1が名目GDPの積上げグラフです。
合計では、2019年度は552.1兆円と、前年度548.1兆円から約4兆円の増加となります。
1997年度の533.3兆円をこえたのが、2016年年度からになりまして、4期連続で最高値を更新している状況です。
2. 家計の消費が圧倒的

図2 名目GDP 年度 詳細(2019年度は5/18速報値)
(内閣府 統計データ より)
図2がGDPを構成する各項目の詳細グラフです。
最も大きい「民間最終消費」が304.5兆円で、前年度の304.8兆円から減少しています。
消費税増税と、コロナ禍の影響が数字にも出ているようです。
趨勢としては緩やかな右肩上がりではありますが、停滞しているようにも見えますね。
「民間住宅」は16.8兆円で、前年度の16.5兆円よりは微増しています。
趨勢的には減少傾向でピークの1996年の28.7兆円から4割以上減っています。
「民間企業設備」は87.4兆円で、前年度の88.0兆円から微減です。
趨勢的にはアップダウンがありますが、ほぼ横ばいですね。
「政府最終消費支出」は111.65兆円で、前年度の108.5兆円より増加しています。
趨勢的には右肩上がりです。
「公的固定資本形成」は29.6兆円で、前年度の28.2兆円より微増しています。
趨勢的には一度減少してから横ばいとなります。
ピーク時には47.8兆円でしたので、4割以上減少しています。
「純輸出」は1.0兆円で、前年度の0.1兆円より増加しています。
輸出が100.7兆円→94.9兆円と減少していますが、輸入も100.1兆円→93.9兆円と減少している事から差し引きで純輸出が増加したという結果となっています。
GDPは民間部門の停滞を、政府支出で何とか補っている形となりますが、年間で0.7%程度の増加にとどまっています。
一般的な先進国(ドイツ、アメリカ、フランスなど)が年間2%以上のGDP増加率なのに対して、やはり経済成長の幅が小さい事がわかります。
3. 停滞する日本経済の成長率

図3 GDP成長率
(内閣府 統計データ より)
ちなみに図3がGDPの年間成長率の推移です。
2019年度は、名目GDPが0.7%程度の成長、実質GDPがほぼ0成長(マイナス0.05%程度)です。
名目GDPの方が伸びが大きいので、物価は上がっていることになりますね。
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