061 日本人の寛容さとは?

1. 日本人の寛容さとは?

前回は、国連の幸福度調査結果の最新版(World Happiness Report 2020)を取り上げました。
2019年の調査結果と比べると、日本は様々な指標が下がり、総合で58位→62位と後退しています。

その中でも寛容さの指標が急落し、153か国中151位という惨憺たる結果となっていました。
他国と比べると、日本は台風、地震、洪水などの自然災害や、隣国との地政学的なリスクが高く、資源的な制約も大きな環境です。
このような環境で、本来は日本人同士寛容さをもって助け合っていかなければいけませんね。

この「寛容さ」に関連して、もう少し詳しい調査結果もありましたので、今回取り上げてみます。
チャリティ援助財団(CAF: Charities Aid Foundation)による、World Giving Indexという調査です。
 参考URL: CAF Publication

Giving = 寛容さ・寛大さなどと訳されますね。

表1 寛容さWorld Giving Index 2017 (Charities Aid Foundation)

寛容さ 2017年 CAF

表1が2017年版のWorld Giving Indexです。

主要国のみ表示しています。
1位 ミャンマー
2位 インドネシア
3位 ケニア

大よそ上位に来る国は前回のWorld Happiness Reportの「寛容さ」の順位と関連していそうです。
World Happiness Reportでは、寛容さの評価基準として、寄付の金額としていました。

寄付金額の大小をもって寛容さを評価するのはどうか、というご意見などもありました。
今回の調査の指標は①他者への親切さ(Helping stranger)、②寄付(Donating money)、③ボランティア活動(Volunteering time)の3つとなっています。

日本は、総合で139の国と地域中111位という結果でした。
G7ではイタリアにも大きく差をつけられ最下位、OECDでも下から5番目、韓国にも大きく差をつけられています。

寄付だけが評価されているわけではないので、もっと良い結果と期待していたのですが、大変残念です。。。

2. 寛容さの評価指標

それぞれの指標についてみてみましょう。

「寄付」 46位
過去1か月に寄付をした人数の割合を評価しているようです。
決して良くはありませんが46位と健闘しています。
World Happines Indexの順位(153か国中151位)との相違は、金額ではなく人数を評価しているという点でしょうか。
コンビニの募金箱への募金や、お賽銭なんかもカウントしているかもしれませんね。

「ボランティア活動」 73位
ボランティア活動は過去1か月にボランティアに従事した平均時間を評価しているようです。
こちらも139か国中73位と平均以下の評価ですね。
近年は災害時にボランティア活動に従事する方も増えているようですので、今後は評価が上がっていくかもしれませんね。

「親切さ」 135位
この調査で最も重視している評価指標のようです。
過去1か月に見知らぬ人の手助けをした人の割合を評価しているようです。
139か国中135位と最低水準のようです。

そもそも日本で生活しているうえで、明らかに困っている人はなかなか見かけないかもしれませんが、確かに日常生活で目にする光景などで思い当たる節もありますね。
電車でご年配に席を譲らない、道端でうずくまっている人を見て見ぬふりをする、なんていう光景も残念ながら度々目にします。
(都内では特に、、、)

今回の結果はあくまでもCAFの基準に沿った数値的な評価なだけですので、実感や実情との乖離は当然あると思います。
ただし、私は、日本で広がりつつある不寛容さに対して、とても示唆的な結果であると受け止めました。

3. 災害多発国日本でこれから必要なもの

元々は日本人の他者への親切さは「おせっかい」や「おたがいさま」などと、むしろ当たり前の感覚として持っていたのではないでしょうか。
いつの間にか生活の余裕がなくなり、親切さや寛容さを失ってしまった人が増えてしまったように思えますね。
本来ここまで技術や経済が発達し、生活が豊かになっているはずの日本で、余裕のない人がこれだけ増加しているのは何だかおかしいですね。
どこかでバランスを欠いた日本の現状が、このランキングでも表されているのかもしれません。

そもそも災害大国である日本では、いつ自分が「助けられる側」になるかわかりませんね。
あるいは、立場的に余裕のある人も、いつ転落し助けられる側に回るかわからない時代です。
今回の結果を見て、改めて普段の生活から寛容さや親切さを持っていたいな、と思いました。

そして、多くの労働者や消費者でもある日本人が、寛容さや親切さを持てるような生活を送るためのビジネスとは何なのか、企業経営者としてできる事を考えていければと思います。

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