161 物質的豊かさの蓄積=生産資産

1. 国民にとっての資産とは何か

前回は、製造業の海外展開について取り上げてみました。
上場企業はそのほとんどが海外に生産拠点を持ち、右肩上がりで現地生産を増やしています。
一方で、国内産業は停滞し、国民の貧困化も進んでいます。

日本はGDPなどフローの面では停滞が続いていますが、ストック=資産の面ではどうでしょうか?
今までは、資産の中でも金融資産を取り上げることが多かったのですが、今回からは非金融資産について取り上げてみたいと思います。

以前は、日本の統計データから、日本の正味資産=国富について取り上げてみました。
参考記事: 国民や国の資産って何だろう?


日本は1980年代後半に、不動産バブルが起こり、土地≒非生産資産の価値が急激に上昇した時期がありました。
バブル崩壊から非生産資産の価値も下がり続け、2005年ころには一度底を打ちます。
バブル及びバブル崩壊の影響は、一度このあたりで解消されたと見れそうですが、その間に日本経済の停滞と構造の変化が進んでしまったように見受けられます。

非生産資産は、もともとある土地につく値段が変わることで、その価値が上下します。
一方で、住宅や機械設備、橋梁などの構造物は生産資産と言われます。
国民生活で必要な、いわゆる固定資産ですね。
国民にとっての物質的豊かさの一つの指標ともいえると思います。
日本の場合は、生産資産は緩やかにしか上昇していません。

今回は、これら資産についての推移についてみていきましょう。

非金融資産 ドル換算 OECD

図1 非金融資産 ドル換算 推移
(OECD統計データより)

図1が非金融資産(Non-financial Assets)の推移のグラフです。
残念ながら、ドイツやアメリカ、イタリアなどのデータはなく、比較的最近のデータのみとなります。

ただ、これを見るだけでも日本の異常さは際立つのではないでしょうか。

1990年代後半ですでに極めて高い水準の非金融資産を持ち、そのまま停滞しています。
イギリスやフランスなどの主要国は趨勢的に右肩上がりです。

2. バブルの影響を引きずっていた日本!?

非金融資産 非生産資産 ドル換算 推移

図2 非金融資産 非生産資産 ドル換算 推移
(OECD 統計データ より)

図2が非金融資産のうち、非生産資産の推移です。
非生産資産は、多くが土地ですが、漁場なども含まれます。

極めて特徴的なグラフですね。
他国は右肩上がりに対して、日本は右肩下がりのグラフです。

バブルにより嵩上げされた土地の暴騰の凄まじさが良くわかるのではないでしょうか。
近年では他国とかなり近い水準にまで差が縮まっていますね。

3. 物質的豊かさ=生産資産

それでは、国民生活の物質的豊かさともいえる生産資産のグラフを見ていきましょう。

非金融資産 生産資産 ドル換算 推移

図3 非金融資産 生産資産 ドル換算 推移
(OECD 統計データ より)

図3が非金融資産のうち、生産資産の推移です。
このデータはアメリカ他いくつかの国についてもデータが追加されています。

まず目につくのが、アメリカの圧倒的な存在感ですね。
右肩上がりで成長し続けています。

一方で日本は停滞したままです。
フランスや韓国などとの差が縮まってきていることも見て取れるのではないでしょうか。

生産資産は、フロー面の総資本形成の蓄積とも言えますね。
物質的豊かさの一つの指標ともいえると思います。

日本の場合は、それがずっと停滞しているわけですね。
一時はアメリカの7割ほどの水準を誇っていたわけですが、直近では約4分の1にまでその割合を縮小しています。

当然、アメリカは日本の約3倍の人口を抱えていますので、1人あたりの指標ではまた異なった見え方になるかもしれません。

今回は、日本経済はフロー面の停滞だけでなく、ストック面でも停滞しているという事実を共有できたのではないかと思います。
当然、世界は右肩上がりで成長している中で、停滞しているという事は相対的に凋落していることになりますね。

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