195 日本はどんな産業で生きていくか

1. 主要国の産業のバランス

前回は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本の主要国の産業別GDPのシェアに着目してみました。
アメリカ、イギリス、フランスは工業のシェアが低下し、公務・教育・保健や専門サービス業のシェアが拡大しています。
既にこれらの国々の最大産業は工業ではなく、公務・教育・保健へと移っています。
工業から「公共性のある事業」や「専門性のある知的産業」などに産業構造が変化しつつあるようです。

一方で工業国ドイツは、未だに工業のシェアが25%程度と最大産業を維持しています。

日本は工業のシェアが低下し、公務・教育・保健と専門サービス業のシェアが拡大するという、アメリカやイギリスと似たような変化が進んでいるようです。
ただし、他国は多くの産業が成長(名目GDPプラス)しているのに対して、日本の産業は多くが停滞か縮小している中での変化であることは留意が必要と思います。

今回はせっかくですので、他の主要国の産業のバランスも見ていきましょう。

GDP 産業別 シェア カナダ

図1 GDP 産業別 シェア カナダ

図1がカナダのグラフです。

カナダは内需が盛んなイメージがありますが、建設業が大きくシェアを拡大しているのが特徴的ですね。
工業のシェアは低下し、公務・教育・保健、専門サービス業、建設業のシェアが増加しています。
他の主要国と比べると、専門サービス業のシェアの伸びが低いようです。

カナダ 産業別 GDP シェア
1997年→2019年 単位[%]
18.6 → 20.1 公務・教育・保健
24.5 → 18.2 工業
18.1 → 18.1 一般サービス業
12.1 → 12.3 不動産業
5.4 → 7.6 建設業
6.0 → 7.6 専門サービス業

GDP 産業別 シェア イタリア

図2 GDP 産業別 シェア イタリア

図2がイタリアのグラフです。
イタリアはリーマンショック以降経済が変調しています。

やはり工業のシェアが低下していますが、公務・教育・保健のシェアは変わりません。
大きくシェアを拡大しているのが不動産業です。

イタリアは他国とちょっと様相が異なるようです。

イタリア 産業別 GDP シェア
1997年→2019年 単位[%]
21.9 → 21.7 一般サービス業
23.3 → 19.7 工業
16.3 → 16.4 公務・教育・保健
9.6 → 13.4 不動産業
9.0 → 9.8 専門サービス業

GDP 産業別 シェア 韓国

図3 GDP 産業別 シェア 韓国

図3が韓国のグラフです。

韓国は工業国らしく圧倒的に工業のシェアが大きく、直近でもシェアの低下はほとんど見られません。
一方で、建設業と一般サービス業のシェアが低下し、公務・教育・保健と専門サービス業のシェアが拡大しています。

最大産業の工業を維持しつつ、その他の産業の構造変化が進んでいるという印象ですね。

韓国 産業別 GDP シェア
1997年→2019年 単位[%]
29.9 → 29.7 工業
12.7 → 17.3 公務・教育・保健
15.4 → 13.9 一般サービス業
6.5 → 10.0 専門サービス業
8.8 → 8.0 不動産業

2. 公共性と専門性が成長のトレンド?

前回に続き、今回も各国の産業別GDPのシェアについて着目してきました。

概ね共通している傾向としては、「公務・教育・保健」と「専門サービス業」のシェアが拡大し、「工業」のシェアが低下している国が多いという事ですね。

日本もやはりこの傾向は一緒です。

最後に各国のGDP産業別シェアを並べて比較してみましょう。

GDP 産業別 シェア 各国比較 2019年

図4 GDP 産業別 シェア 各国比較 2019年

図4がG7+韓国の2019年のグラフを並べたものです。

アメリカ、イギリス、フランスはかなり工業のシェアが低下していて14%前後です。
代わりに大きなシェアを占めているのが、公務・教育・保健と一般サービス業ですね。
不動産業と専門サービス業も大きな存在感があります。

イタリアとカナダは工業が18~19%程度です。
カナダは建設業が7.6%と他国に対して高い割合で、専門サービス業のシェアが低めであるのが特徴的です。
イタリアは公務・教育・保健のシェアが低く、一般サービス業のシェアが高い事が特徴ですね。

韓国は圧倒的に工業のシェアが高く、その代わり一般サービス業のシェアが極端に低いようです。
不動産業のシェアも小さめですね。
公務・教育・保健と専門サービス業のシェアは他国並みと言えそうです。

日本とドイツは割と似たような傾向ですが、日本の方が一般サービス業のシェアにが大きく、代わりにドイツは公務・教育・保健と専門サービス業のシェアが大きいようです。

日本は公務・教育・保健と専門サービス業のシェアが拡大してはいますが、他国と比べるとシェアはまだ低めで、代わりに一般サービス業のシェアが大きめです。

工業のシェアはまだ高い方ですが、ドイツや韓国と比べると名目GDP自体が縮小しつつ、シェアも大きく低下傾向です。

脱工業化し、専門性と公共性のある事業を増やしているアメリカ、イギリス、フランス、得意の工業の存在感を維持しつつ他の産業の転換が進むドイツ、韓国、内需でしっかりと成長するカナダ、一般サービス業の割合が大きく経済が変調しているイタリアなど、各国の特徴がわかりますね。

日本は工業が最大産業でありながら変調していて、一般サービス業の割合が大きく、成長している公務・教育・保健や専門サービス業もまだシェアは低めです。

バブル及びバブル崩壊後の影響が低下してきたまさに現在が日本経済の転換期と言えそうですが、今後はどのような産業を成長の主軸としていくのか、とても興味深い状況と言えそうです。

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