日本の経済統計と転換点
185 企業の変質は日本だけ? - 企業の純金融資産

日本経済の中で最も変質が顕著な「企業」についてフォーカスしてみます。まずは純金融負債の推移をみると、日本企業だけ目減りしている事がわかります。経済の状況と、自国企業の純金融負債が増えているかどうか、は密接に関係しているようです。

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156 株式は資産か負債か? - 企業の正味資産詳細

「株式」を負債側に計上する国民経済計算や日銀 資金循環統計と、負債側に計上しない法人企業統計調査で「株式」の扱いが異なるようです。企業が他社の株式を保有していても、日本全体として見れば資産と負債が相殺し合います。企業のやるべき投資とは金融投資ではなく、事業投資であるべきですね。

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155 ストック面で見る企業活動の停滞 - 企業の正味資産

国民経済計算のデータから、日本の民間企業についての資産・負債・正味資産について可視化します。法人企業統計調査では右肩上がりに増大する純資産も、国民経済計算のデータでは正味資産が停滞しているように見えます。株式と資産・負債の捉え方が影響しているようです。

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154 お金ばかり増える日本人 - 家計の正味資産

家計の純資産について着目してみます。日本は不動産バブルと言う特殊な事象を経験しましたので、不動産価値→非生産資産の大きな変化に目を奪われがちですが、その一方で停滞している生産資産にこそ着目すべきと思います。家計は純金融資産が緩やかに増えてはいますが、成長する世界の中ではやはり取り残されつつあるようです。

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153 民間の正味資産 - 国富と投資の関係とは?

民間部門と公的部門の資産・負債・正味資産を概観してみます。民間部門では、国富のうち最も重要な「生産資産」が停滞していて、純金融資産が増加しています。一方で、公的部門の純金融負債が増大しています。金融投資や政府の負債によって金融資産が増えていても、国富としての生産資産が増えていません。

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152 国富って何だろう? - 停滞する日本全体の正味資産

日本の国民・国家全体としての純資産=国富について注目してみます。バブル期の土地価格の急騰が国富を急激に増大させ、その後の土地価格減少と共に、国富が停滞している様子が窺えます。土地価格を除けば、実質上は緩やかですが国富が増加している事が確認できると思います。

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151 海外とのお金の関係 - 海外の純金融資産国際比較

自国と海外との純金融資産の関係を考えます。海外への純金融資産がプラスと言う事は、裏を返すと資本が流出していることになりますね。日本は世界最大の対外純資産国であると言われますが、国民の貧困化が進み、企業の対外直接投資が増える昨今素直に喜んでばかりはいられない状況である事もわかると思います。

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150 政府の負債が多い日本 - 政府の純金融資産比較

家計、企業、政府、金融機関、海外の経済主体のうち、政府の純金融資産についてフォーカスしてみます。1人あたりの政府純金融資産を見ると、日本の政府はアメリカに次いで先進国で2番目の純金融負債を負っています。企業が負債を減らしている特殊な国のカタチから、政府が他国よりもより多く負債を増やしている側面もあるかもしれません。

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148 負債が減る日本企業 - 企業の純金融資産国際比較

日本企業は先進国で唯一純金融負債を減らしています。ドル換算金額で評価すると、実は日本企業は1995年頃には極めて高い純金融負債の水準で、そこから減らしている状況という事がわかります。長引くデフレで国内事業への投資メリットが無いからという事だと思いまが、この企業行動が、デフレを助長する事になっているのではないでしょうか。

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143 政府の負債はなぜ増える? - 収支と負債の国際比較

日本は政府の収入も支出も少ないのですが、収入よりも支出が上回る期間が長く続き、政府負債・純負債は先進国で極端に増大しています。一方で企業は主要国で唯一負債をふやしていません。企業の代わりに政府が負債を増やしている状況です。企業が負債を増やして国内事業に投資を行うという通常の経済に戻すことが必要と思います。

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