173 投票率と生活満足度 - 国政選挙投票率の国際比較
日本は選挙の投票率が低い国として知られていますが、具体的な統計データを基に国政散居の投票率について国際比較してみます。
1. 投票率の推移
前回は日本の衆議院総選挙の投票率についてフォーカスしてみました。
日本では全体的に投票率が低下傾向で、特に若年層で投票率が低い事がわかりました。
直近では全体で55%程度、20代で35%程度、30代で45%程度です。
このような低い投票率は日本だけの特徴なのでしょうか?
今回は、OECDの他国との違いについて統計データを確認していきたいと思います。
図1 国政選挙 投票率
(OECD 統計データ より)
図1がOECD各国の国政選挙(General Elections)の投票率をグラフ化したものです。
日本はもともと低い水準だったのが、近年さらに低下傾向であることがわかります。
アメリカは2016年に急激に投票率が上がっていますが、トランプ氏が出馬した大統領選挙のためと考えられそうですね
G7等主要国は概ね60~85%の範囲にあるようです。
日本は50~70%で全体として低い水準で推移しています。
2. 投票率の国際比較
図1の推移だけでは比較が難しいので、直近の投票率を比較したグラフを作成してみました。
図2 国政選挙 投票率 直近 2019年
(OECD 統計データ より)
図2が2019年の時点における、各国の直近での国政選挙の投票率です。
例えば、アメリカは2016年、ドイツ、フランスは2017年、イギリスは2015年、日本は2014年となります。
ルクセンブルクや北欧諸国が概ね投票率が高いですね。
日本はこの中では下から6番目の水準で、かなり投票率の低い国となります。
スイスの投票率が低い事も特徴的ですね。
図3 国政選挙 投票率 平均
(OECD 統計データ より)
図3は、1992年から直近までの、各国の投票率の平均値となります。
図2よりもより実態に近い数値になっているのではないでしょうか。
特にアメリカは2016年が飛びぬけて高い投票率だったので、平均値にすると大分数値が小さくなります。
平均値では日本は61.9%と、OECDの平均値70.3%を大きく下回ります。
35か国中27番目と投票率がかなり低い国と言えそうです。
日本より低い国はアメリカを始め、スロバキア、メキシコ、チェコ、ポーランド、スイスなどです。
オーストラリア、ルクセンブルク、ベルギーなどは平均値でも90%を超え、非常に高い投票率を誇りますね。
3. 投票率と満足度の関係
政治への国民参加の度合いとも言える投票率と、国民の生活に対する満足度について相関図を作成してみました。
図4 投票率-生活満足度 相関図 2017年
(OECD 統計データ より)
図4がOECDの統計データ Well-beingのうち、投票率と生活満足度を抜き出してバブルチャートの相関図にまとめたグラフです。
バブルの大きさは人口を表します。
楕円で囲ったように緩やかな相関があるようにも見えますね。
概ね投票率の高い国は生活満足度も高いという関係が見て取れます。
相関係数を計算すると、0.415となり「弱い相関がある」ようです。
日本は国民の政治参加も、生活に対する満足度も共に平均値よりも大幅に小さい数値で、左下の領域です。
日本では特に若年層ほど政治への関心が低く、投票率も低い傾向です。
4. 投票率の特徴
今回は先進国の国政選挙の投票率について国際比較してみました。
日本は相対的に見れば選挙の投票率が低い国という事になります。
生活満足度も低いと評価されています。
必ずしも投票率が満足度と関係しているわけではないと思いますが、生活をより豊かにしていくためにも政治に関心を持つことが重要である事は確かだと思います。
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<ブログご利用の注意点>
・本ブログに用いられる統計データは政府やOECDなどの公的機関の公表しているデータを基にしています。
・統計データの整理には細心の注意を払っていますが、不整合やデータ違いなどの不具合が含まれる可能性がございます。
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