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表面処理各種を承ります

各種塗装、メッキ、研磨などの表面処理や樹脂・セラミックス・貴金属などの素材についても加工を承ります。
鉄、アルミなど主に表面の酸化を防ぐ目的、色や風合いを出す目的でご指定いただいています。

メッキ

亜鉛メッキ(クロメートやユニクロなど)、ニッケルメッキ(電気ニッケル、無電解ニッケルなど)、クロームメッキ(硬質クロム、装飾クロムなど)、金メッキなど様々なメッキが素材や用途に合わせて選択可能です。

膜厚コントロールが比較的容易で、大量かつ安価に表面処理できる手段として様々な部品に利用されています。

無電解ニッケルメッキ
無電解ニッケルメッキ
金メッキ
金メッキ
<種類><詳細><膜厚><硬さ><コスト><備考>
亜鉛電気亜鉛メッキ10μm前後60~90HV安い光沢クロメート(ユニクロ)
有色クロメート
黒色クロメート
三価クロメート など
ニッケル電気ニッケルメッキ(光沢)5~10μm400~500HV標準的
電気ニッケルメッキ(半光沢)5~10μm300~350HV標準的
無電解ニッケルメッキ5~10μm
制御可能
450~600HVやや高い焼入れ処理により
800~1000HV
クロム装飾クロムメッキ5~10μm
クロム被膜は
1μm以下
700HV程度やや高いバフ研磨後に下地の
ニッケルメッキ
硬質クロムメッキ10~30μm800~1000HV高いメッキ前後にバフ研磨
装飾金メッキ数μm
金被膜は
0.1μm以下
-やや高い下地メッキ後の薄メッキ
(フラッシュメッキ)
工業用金メッキ---用途に応じて
多様な種類有り

※ 数値は一般的な範囲です(参考値)

アルマイト

アルミ特有の表面処理です。アルミ生地の部品に通電しながら酸性の層に浸ける事で、表面が酸化アルミに置換されます。酸化アルミは耐食性、耐摩耗性に優れ、メッキと異なって母材と一体化していますので剥離する心配もありません。

一般的にま膜厚10μm程度に対して、母材に侵食する分が半分程度、母材の外にせり出す部分が半分程度と言われます。

通常の白アルマイト、多用される黒アルマイトをはじめ、様々な染料・顔料を用いたカラーアルマイト、膜厚を20μm以上と厚くする硬質アルマイト、アルマイト層に金属イオンを封入して様々な特性を付与する二次電解といった派生処理も対応できます。

また、アルマイトとフッ素加工をミックスし、耐食性、耐摩耗性を向上させると共に潤滑性も増したタフラム処理®もアルマイトの一種と言えます。

カラーアルマイト
カラーアルマイト

研磨加工

研磨加工は、バフ研磨、流体研磨、電解研磨などを行っています。

表面を平滑に仕上げ、光沢感を向上させます。
外観向上の目的以外に、不純物の付着予防の目的などで、食品、医療、半導体関連の部品などにも多用されます。

バフ研磨には、#400仕上げ、鏡面仕上げ、ヘアライン仕上げが一般的です。

精密部品の研磨仕上げには、「精密研磨加工」をお勧めしています。
精密研磨加工は、寸法や形状変化をほとんど生じさせずに、Ra0.8前後まで研磨する精密部品向けの研磨加工です。

バフ研磨
バフ研磨 (#400)

ブラスト加工

アルミナやガラスビーズなどのメディアを吹き付け、部品表面を梨地状に仕上げる加工方法です。
アルマイトや、メッキ、塗装などの下地処理に使われることが多いです。
部品のバリ取りや塗装の剥離などの目的でも利用されます。

メディアの種類や、粒度をご指定下さい。

ブラスト加工
ブラスト加工

塗装

主に焼付塗装の対応が可能です。

鉄だけではなく、アルミやステンレスにも焼付塗装が可能です。
重要部分はマスキングしたり、塗分けるなどの対応も可能です。

レザートン、ハンマートン等の特殊塗装や、厳密に色を指定しての塗装、加熱できない部品へのウレタン塗装など、様々なオプションをご指定いただけます。

フッ素コーティングなどの、塗装技術を応用したコーティング加工も承ります。

メラミン焼付塗装

塗料にメラミン樹脂を用いた焼付塗装で低温で硬化し扱いやすい一般的な焼付塗装です。
様々な金属に塗装できるため、広く使われていています。加熱温度は、アクリル樹脂焼付塗装よりも低温(150℃程度)です。

<メリット>

厚塗りも容易で、装飾性が高いです。
アクリル焼付塗装よりも安価です。

<デメリット>

紫外線で劣化しやすいく期間野外で使用する場合には、経年劣化により色褪せが発生する可能性があるため不向きです。

アクリル焼付塗装

塗料にアクリル樹脂を用いた焼付塗装です。メラミン樹脂焼付塗装よりもややコストアップとなりがちですが、メリットも多いです。通常は目あみん塗装よいも高温の180℃前後での過熱となります。

<メリット>
表面が硬くて傷が入りにくい
密着性が高く剝がれにくい
アルミ素材にも塗装可能
紫外線での劣化が少なく野外での使用にも向いている

<デメリット>
メラミン焼付塗装よりも高価

その他の塗装

一般的なメラミン焼付塗装、アクリル焼付塗装以外にも、様々付塗装に対応しています。

フッ素焼付塗装:
アクリル焼付塗装よりも対候性が高く、耐水性、耐薬品性などにも優れています。長期間の使用に耐えられる優れた塗装と言えますが、その分塗装費用も高価になります。

エポキシ焼付塗装:
高い密着性により剥がれにくく、加熱して硬化した際の寸法変化が小さいという特徴があります。防錆目的で大型構造物の塗装などに用いられます。太陽光で劣化するため、主に下地用の塗装として用いられます。

シリコン焼付塗装:
高い耐熱性が特徴です。調理器具などに利用されます。

ウレタン塗装:
焼付塗装と異なり、常温での自然乾燥で硬化させる塗装方法ですので、熱を加えることのできない樹脂などの素材や、焼付塗装では対応できないような大型部品の塗装に用いられます。
焼付塗装と遜色のない仕上がりや、対候性が得られますが、硬化時間が長時間かかるため、埃などが付着するリスクがあります。

ハンマートン塗装/レザートン塗装:
ハンマーで表面を無数に打ち付けたような模様を生じるハンマートン塗装や、皮革のような表面のレザートン塗装など、塗装面に凹凸をつけた装飾性の高い塗装です。

音響ケース
ハンマートン塗装
アクリル焼付塗装
アクリル焼付塗装(アルミ)

熱処理各種に対応可能です

表面処理だけでなく、熱処理各種にも対応しています。
熱処理は、焼入れ/焼きもどし、焼きなましなどの全体熱処理と、高周波焼入れ、窒化処理などの表面焼入れがあります。
ご都合に合わせてご要望ください。

全体熱処理

部品全体を加熱して、冷却することで部品の組織に変化を生じさせるのが全体熱処理です。
「焼入れ/焼きもどし」、「焼きなまし」、「焼きならし」が一般的です。

焼入れ/焼きもどし

炭素の含まれる鋼鉄を加熱すると「オーステナイト」という組織に変化せてた後、急冷して「マルテンサイト」という硬い組織に変化させるのが「焼入れ」です。
JIS記号で焼入れ(Quenching)はHQと表記されます。

焼入れを行うと硬くなりますが、その反面脆くなってしまい、そのまま部品として使用するには不向きですので、焼入れ時よりも低い温度にもう一度加熱して、ゆっくりと冷却することで粘り(靭性)を高める処理が「焼もどし」です。
JIS記号で焼もどし(Tempering)はHTと表記されます。

焼もどしによる再加熱の温度は高いほど硬さが減少し、粘りが増します。
高温で再加熱して硬さよりも粘りを増す手法を「高温焼もどし」、低温で再加熱して粘りよりも硬さを優先する手法が「低温焼もどし」です。
通常は、焼入れと焼もどしがセットで行われます(HQ/HT)。

また、焼入れ後に高温焼もどしを行い、硬さや強度、靭性などを調整する熱処理を「調質」と呼びます。
特にS50Cなどの炭素鋼やSCM440などは、機械加工ができる程度に予め調質された「調質材」が多く利用されています。

各種材料メーカーより「プリハードン鋼」(NAK55, DH2F, STAVAXなど)としても販売されています。
調質材の硬さはHRC30~40程度と、切削加工が可能な範囲に調整されて用いられることが多いようです。

焼きなまし

焼きなまし(焼鈍:しょうどん)とは、加熱した後に徐々に冷却することで組織が均一化され軟らかくなり、内部応力が除去されて切削性が向上する熱処理です。
JIS記号で、焼なまし(Annealing)はHAと表記されます。

アニール処理とも呼ばれます。

特に薄物の切削加工品などで、素材の状態や荒加工後に焼きなましを行い、歪みを抑えるために用いられる事が多いです。

焼きならし

焼きならし(焼準:しょうじゅん)は、鋳造や鍛造、圧延など力を受けた状態で製造され素材の組織を、熱処理によって均一化・微細化して機械的性質を確保する手法です。

JIS記号で、焼ならし(Normarizing)はNRと表記されます。

表面熱処理

高周波焼入れ

高周波焼入れは交流電源による誘導加熱によって、表面部分だけ800℃以上に加熱する方法で主にシャフト形状やギア形状部品の硬さ向や耐疲労性の向上を目的に用いられます。

JIS記号で、高周波焼入れ(Induction Hardening)はHQI(Induction Hardening)で表記されます。

抵抗熱により部品表面が急速に加熱される原理を利用し、電熱用のコイルを部品に近接させてコイルに高周波誘導電流を通すことで表面付近のみ加熱します。その後、低温での焼もどしにより靭性を回復させます。

<特徴>
・高周波焼入れは表面のみ焼入れが行われますので、表面は硬くなり耐摩耗性などが向上しつつ、内部には靭性を備えた状態が残ります。
・部分的にしか熱が加わらないため、変形や寸法変化も少なくて済みます。
 シャフト形状などは、熱処理後に曲がり等の変形が生じる場合がありますので、プレス機等での歪取りが行われます。
・表面のみ焼入れされることで、表面に圧縮残留応力が発生し、耐疲労性が向上します。
・高周波焼入れによる表面の硬さは、通常の焼入れ/焼もどしよりもやや硬くなります。
・高周波焼入れは加熱時間が短時間で済むため環境にやさしい熱処理と言われています。
・全体焼入れと異なり、焼入れする部位や焼入れの深さを指定できるという特徴もあります。

窒化処理

窒化処理は、部品の表面を窒素の化合物として硬さを高める手法で、ガス窒化、塩浴窒化、ガス軟窒化、イオン窒化などがあります。
オーステナイト化温度以下の温度域で、アンモニアや窒素を含んだ雰囲気中に暴露することで、表面近傍に窒素を浸透させて硬化させる処理です。
JIS記号で、窒化処理(Nitriding)はHNTと表記されます。

<特徴>
・処理温度を上げる必要がないため、処理後の熱処理が不要となり、変形等が生じにくいという特徴があります。
1000HV程度まで硬くなる窒化処理と、600HB程度の軟窒化処理に分かれます。
・窒化処理は、主に表面を固くして耐摩耗性を向上させる目的で利用されます。
・軟窒化処理は、主に耐疲労性を改善したい場合に利用されます。
・処理温度が低いため、調質鋼などでも内部の硬さを保持したまま表面の硬さを向上させることができます。
・SUS304やSUS316などのオーステナイト系ステンレスにも利用される処理として知られています
・処理温度に応じて、窒化層の厚さと硬さが変化し、窒化層の厚さは概ね0.1~0.5mm程度となります。

1000HV程度まで硬くなる窒化処理と、600HB程度の軟窒化処理に分かれます。

浸炭処理

鋼鉄を焼入れするためには、炭素が必要となるため炭素鋼などの炭素含有量の多い鋼鉄は焼入れが可能ですが、低炭素鋼など炭素含有量の少ない鋼鉄は焼入れができません。
このような場合に、表面の炭素分を高めて焼入れを行う手法が浸炭処理です。
JIS記号では、浸炭処理(Carburizing)はHCと表記されます。

「浸炭剤」を部品と一緒に加熱して、部品表面に炭素を拡散させ浸透させます。
浸炭剤の種類に応じて、固体浸炭(炭)、液体浸炭(シアン化塩)、ガス浸炭(炭化水素系ガス)の手法があります。
浸炭処理は、高温で長時間加熱するため、部品の中心部の組織が変質します。このため、浸炭処理後には、焼入れ/焼もどし処理を行います。

<特徴>
・粘りがあり高炭素鋼に比べると安価で加工性に優れている低炭素鋼は通常硬さが劣ります。浸炭処理は表面だけ硬さを高めることができますので、低炭素鋼の良い部分を生かし、劣る部分を強化する事ができます。
主にS15Cなどの低炭素鋼や、SCM415などの炭素含有量の少ないものが用いられます。

・浸炭処理により得られる硬い層(硬化層)には、全体硬化層深さと有効硬化層深さの2種類の深さの規定があります。
有効硬化層深さは、「焼入れのまま又は200℃を超えない温度で焼もどしを行った時の表面から550HVとなる深さまでの距離」(JIS G 0559より)です。
全体硬化層深さは、素材そのものの硬さまでの距離となります。
有効深さは指定が可能ですが、熱処理業者によっては決まった範囲しか対応していないところも多いようです。
有効深さ0.3~1.5mm程度で処理されることが多いようです。

表面焼入れには他に、「炎焼入れ(JIS記号でHQF)」、「電子ビーム焼入れ」、「レーザー焼入れ」もあります。


詳細はお問い合わせください。