精密板金加工とは
板金加工とは、主に薄板を切り抜いたり、曲げたりして所望の形状を製作する加工方法です。
カバーや精度・強度の必要のないブラケットなどの部品製作に多く用いられます。
当社では、レーザーカットやタレットパンチなど、多品種少量生産に特化した精密板金加工を得意としています。
もちろん金型を製作してのプレス加工や絞り加工なども対応可能です。
レーザーカット
レーザーカットとは、NCプログラムに従って自動で動き、レーザー光により素材をくり抜く加工です。
多品種少量の精密板金加工で主流となる加工工程です。
DXFなどのCADデータから即座に加工データを作成できます。
レーザー光を使用するため、表面の反射率の高いアルミ素材は得意ではありませんが、最近では5mm程度までならきれいに抜けるようになってきました。
切断断面は多少のざらつきが残ります。
タレットパンチ
タレットパンチとは、パンチの型で高速に素材をくり抜く工程です。
形状次第ですが、特にレーザーカットでは時間のかかるような穴加工で威力を発揮します。
精密板金加工でも、用途の拡がっている加工方法の1つです。
少しずつパンチの位置を移動させながら高速で抜くことで、直線や所望の曲線を加工することも可能です。
タレットパンチとレーザーカットを組み合わせて、生産性を向上させるような工程の組み方が進んでいます。
切断断面は若干むしれたような痕が残り、型と型とのつなぎ目には追抜き痕と呼ばれる微妙な段差が発生します。
ウォータージェット加工
ウォータージェット加工とは、水流を高圧で噴出し素材をくり抜く工程です。
レーザーカットやタレットパンチでは加工できないような素材(t0.5mm未満の薄板や、樹脂・木材など)で威力を発揮します。
錆が問題となる素材や、CFRP等の積層素材などには不向きです。
精密板金加工の中でも活用例が増えている加工工程となります。
ベンダー曲げ加工
ベンダー曲げ加工とは、プレスブレーキとも呼ばれる機械で板金部品を曲げる加工方法です。
90°曲げが基本ですが、鋭角や鈍角曲げも可能です。
また、容器類などで間口を折り曲げて2重にするヘミング加工(アザ折り加工)も可能です。
基本的には曲げの内アールは任意となりますが、指定のある場合は所有している金型との兼ね合いで対応可否が決まります。
また、緩やかな曲げを少しずつ刻みながら付けていく事で、疑似的に大きなアール形状を実現する事も可能です。
曲げられる板厚は、材質や形状にもよりますので、適宜お問合せ下さい。
ロール曲げ加工
ロール曲げ加工とは、主に3本ロールと呼ばれる機械で板金素材を大きなアール形状に曲げる加工です。
傾斜のついたホッパー形状も可能です。
端部に若干のストレート部分が必要になる場合もあります。
板厚や幅、形状によって曲げの可否が決まりますので、適宜お問合せ下さい。
プレス加工
プレス加工とは、プレス機により板金素材に圧力をかけながら金型を押し当てて成形する加工です。
金型の製作費用がかかりますが、量産に向いた加工方法です。
単発プレス加工と、順送プレス加工に分かれます。
形状、材質、板厚によって対応の可否や製作方法、金型の仕様が異なります。
ヘラ絞り加工
ヘラ絞り加工とは、回転する金型に薄板を押し当てながら、金型に沿うようにヘラで扱いていく事で形状を作り出します。
筒のようなストレートな形状から、反射板のような任意の局面をもった形状まで実現可能です。
プレス加工と比べると金型費用も安く済みます。
職人が手で加工する汎用機だけでなく、NC加工機による量産にも向いた加工工程です。
板金加工の特徴
板金加工は自動化が進み、多品種少量でも安定して安価な加工が可能な製造工程です。
加工速度の向上だけでなく、対応可能な板厚の幅が増えたり、様々な材質に対応できたりと進化のスピードも速い領域です。
機械加工と比べると、準備作業も簡素で、加工工程も短時間で済むという特徴があります。
部品に求められる要求から判断して、機械加工ではなく板金加工として扱う事で、コストや納期を低減する事も可能です。
一方で、抜き加工におけるバリの取り扱いや、曲げ付近の穴の変形、曲げによる反り、取り扱いや加工中の傷など、板金加工特有の注意すべきポイントも多くあります。
当社では、上記の特徴を踏まえ、より合理的なご提案を差し上げます。
板金加工についてのお問い合わせ
その他にも、様々な板金加工による部品製作を行っています。
もちろん、溶接やメッキ、塗装など表面処理を含めて一括してお請けする事も可能です。
板金加工についてご不明な点やご要望がございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。
＜お問い合わせ先＞
株式会社⼩川製作所
営業・技術担当 ⼩川宛
TEL: 03-3657-4196
FAX: 03-3673-4755
Mail: info@ogawa-tech.jp