324 日米の貿易相手の変化 - 相手国別輸出入シェア

日本とアメリカの貿易について、相手国別の輸出・輸入シェアをご紹介します。

1. 日本の相手国別輸出シェア

前回は、日本、アメリカ、中国、ドイツの貿易(輸出輸入)について、相手国別の推移をご紹介しました。
全体として拡大傾向が続く中で、各国とも中国との貿易も増えています。
ただし、アメリカはカナダ、メキシコとのNAFTA内、ドイツは欧州圏内と地域内での貿易も活発化させている様子が窺えました。
今回は、各国の相手国別の貿易額シェアについてご紹介したいと思います。
コロナ禍が本格化する前の2019年の時点での比較をしてみましょう。

まずは日本からです。

日本 輸出 シェア 1995年
日本 輸出 シェア 2019年

図1 日本 輸出 シェア
(OECD統計データより)

図1が日本相手国別輸出額シェアです。
左が1995年、右が2019年です。

1995年の時点では、アメリカが最大の輸出相手国で27%ものシェアを占めていました。

2019年では、中国向けが20%で最も多く、次いでアメリカ17%、韓国6%、台湾5%です。
上位5か国で約半分のシェアに達しています。

肌色がその他のアジア圏を示しますが、やはり対アジアの輸出が多い事がわかりますね。

上位20か国以外のその他の割合が19%程度と低く、特定の国への輸出が多い事がわかります。

欧州への輸出はドイツで3%、アイルランド3%、イギリス2%とそれほど多くありません。

2. 日本の相手国別輸入シェア

続いて、日本の相手国別輸入シェアの変化です。

日本 輸入 シェア 1995年
日本 輸入 シェア 2019年

図2 日本 輸入 シェア
(OECD統計データより)

図2が日本相手国別輸入額シェアです。

1995年の時点ではアメリカが最大の輸入相手国で25%ものシェアでした。
当時は中国からの輸入は全体の6%程度だったことになります。
アジア圏(肌色)からの輸入が多いというのは輸出と同じ傾向です。
近い地域での貿易の方が合理的であるという事が窺えますね。

2019年では、中国が21%にまで拡大し、アメリカ15%もシェアは低下しつつも15%と存在感が大きいようです。
一方で、オーストラリア、サウジアラビアなどの資源国の存在感も大きいのが特徴的ですね。

それ以外はドイツからの輸入が一定の存在感がある以外は、やはりアジア圏からの輸入が多く、欧州圏からの輸入が少ないという特徴があります。

3. アメリカの相手国別輸出シェア

続いてアメリカの状況を見てみましょう。

アメリカ 輸出 シェア 1995年
アメリカ 輸出 シェア 2019年

図3 アメリカ 輸出 シェア 2019年
(OECD統計データより)

図3がアメリカ相手国別輸出額シェアです。

1995年の時点では、日本向けの輸出が13%に達していてメキシコよりも多い状況だったようですが、2019年には6%と半分未満に縮小しています。

2019年では中国のシェアが大きく拡大していて、日本を上回ります。
ただし、中国よりもカナダ、メキシコへの輸出の方が多いようです。

日本の対アメリカの輸出シェアが17%と非常に高いのとは大きく異なりますね。

輸出シェアの上位は主要国が占めます。
各国との輸出はバランスが取れている印象ですね。

4. アメリカの相手国別輸入シェア

最後にアメリカの相手国別輸入シェアの変化です。

アメリカ 輸入 シェア 1995年
アメリカ 輸入 シェア 2019年

図4 アメリカ 輸入 シェア 2019年
(OECD統計データより)

図4がアメリカ相手国別輸入額シェアです。

やはり1995年の時点では日本のシェアは大きく15%に達しています。
当時からカナダからの輸入が多かったのも特徴的ですね。

2019年では輸出とは異なり、中国が最もシェアの高い国となっています。
中国、メキシコ、カナダの3か国で輸入の4割程度を占めます。

日本はドイツと同程度で5%程度で、1995年の3分の1に縮小しています。
ドイツが5%で同程度なのと比べると、日本への依存度が大幅に下がっている事がわかります

もちろん自動車などの現地生産化も大きく影響しているとは思います。

3. 日米の輸出・輸入の特徴

今回は、日本とアメリカの相手国別輸出入シェアについてご紹介しました。

日本は中国との貿易が拡大しつつ、アメリカの存在感も未だに大きいのが特徴です。
特定の国との貿易が多く、地域としてはアジア圏との関係が強い事がわかります。

一方でアメリカは、日本との貿易シェアが大きく低下し、カナダ、メキシコ、中国との関係が強い事がわかります。

日米貿易摩擦と呼ばれていた時代もありましたが、既に貿易における日米関係は大きく変わっているようです。

この背後には、製造業等の現地生産化の影響も大きく関係しているかもしれません。
日本企業は多国籍化し、アメリカへも現地工場を多く作っていますね。

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