013 お金以外の豊かさとは!? 教育編

OECDのWell-beingのうち教育水準についての国際比較により、日本の立ち位置を確認してみます。

1. 教育水準の国際比較

引き続き、お金以外の豊かさについて、統計データを見ながら考えていきたいと思います。

前回雇用率についてフォーカスしてみました。
今回のテーマは、各国の教育についてです。

平均給与 教育水準 2017年

図1 平均給与-教育水準
(OECD統計データ より)

図1に、平均給与に対する教育水準(原文はEducational attainment)のバブルチャートを示します。
この指標は、25才~64才における、各年齢の人口に対する後期中等教育(日本での高等教育相当)を受けた人の割合を示します。

所得水準が高い方が、教育水準が高いという関係性があるようにも見えます。
分布の仕方からすると、日本が収入の割りに高い水準(94%)のようです。
イタリア(60%)、スペイン(58%)は先進国としてはかなり低い水準ではないでしょうか。

スロバキアなどの東欧諸国も軒並み高い水準にあるのは興味深いですね。

この指標では、高等教育を受ける人の割合を示していますが、教育の質についてはわかりません。

2. 学業スコアの国際比較

つづいて、学生の学業スコアについての国際比較です。

平均給与 学業スコア 2017年

図2 平均給与-学業スコア
(OECD統計データ より)

そこで、次に示したのが図2の学業スコア(原文はStudent skills)となります。

この指標はOECDのPISA(Programme for International Student Assessment)と言われる評価で、学生の語学、数学、科学の平均スコアを示します。
つまり、国際的に比較可能な学生の教育の質を表す指標と言えます。

やはり収入に対して正の相関関係があるように見受けられますが、日本を頂点としたへの字のようなグラフにも見えます。
平均寿命も日本を頂点としたへの字でした。

日本が529ポイントでトップです。
エストニアが524で2位、カナダとフィンランドが523ポイントで3位、次いで韓国となっています。

意外とアメリカのポイントが低いのが印象的です。
スペイン、イタリアは教育水準のグラフでは他の先進国各国に大きく離されていましたが、この学業スコアでは差が縮まっているようにも見えます。

逆に東欧諸国は教育水準のグラフでは日本や韓国に並ぶ高水準でしたが、学業スコアのグラフでは大きく差があるようです。

3. 教育水準の特徴

今回は、先進国の教育についてご紹介しました。
教育の水準と質については所得水準との相関もありそうです。

また、日本の教育はどちらもOECD中でトップ水準で、大変誇らしい実績を持つことがわかりました。
裏を返せば教育のレベルがトップ水準でも収入のレベルは高くないという事になります。

日本人は高い水準の教育を受けた労働者がたくさんいるわけですから、自分たちの収入を増やす伸びしろが大いにあるという事を裏付けるものではないでしょうか。
あるいは現在の状況は、そのような高度な人材を十分に活かしきれていない、とも言えると思います。

皆さんはどのように考えますか?

本ブログは、にほんブログ村と人気ブログランキングにエントリーしております。
ランキング上位になりますと、さらなるアクセスアップに繋がります。

本ブログの趣旨にご賛同いただき、応援いただける場合は是非下記バナーをクリックいただき、ランキング向上にご支援いただけると大変うれしいです。

にほんブログ村 ランキング

人気ブログランキング

小川製作所ブログ
ブログ記事一覧へ

<ブログご利用の注意点>
・本ブログに用いられる統計データは政府やOECDなどの公的機関の公表しているデータを基にしています。
・統計データの整理には細心の注意を払っていますが、不整合やデータ違いなどの不具合が含まれる可能性がございます。
・万一データ不具合等お気づきになられましたら、「お問合せフォーム」などでご指摘賜れれば幸いです。
・データに疑問点などがございましたら、元データ等をご確認いただきますようお願いいたします。
・引用いただく場合には、統計データの正誤やグラフに関するトラブル等には責任を負えませんので予めご承知おきください。