3Dスキャンとは
3Dスキャンとは、現物(⽴体物)をスキャンし3Dモデル化したデータを生成する技術です。
古い機械の部品等で、「現物はあるけど図面も当時のメーカーも存在しない」等と言う場合に、現物をスキャンしてデータ化する等の用途に利用されます。
いわゆるリバースエンジニアリングの1つの手法と言えます。
当社では、ハンディタイプの3Dスキャナと、スキャニングデータの編集専用ソフトウェアを組合わせて、3Dスキャンサービスを提供しています。
3Dスキャンサービス
当社で使⽤する器材は3Dスキャナ「Artec Spider」です。
「Artec Spider」は⼩型の携帯式3Dスキャナですので、屋外や出張先でのスキャニングも可能です。
取得データから画像処理により3Dモデルを⽣成しますので、従来の3Dスキャナのように、対象物にマーカーを取り付ける必要はありません。
また、リバースエンジニアリングソフトウェア「Design X」と組み合わせることにより、⼯業製品などの⾼精度な3Dモデルも⽣成が可能です。
3Dスキャニングサービスでは、お客様のご要望やご予算に応じて、下記のレベルでのスキャニングデータの提出が可能です。
<レベル> | <処理内容> | <提出データ形式> | <備考> |
1 | スキャン生データ (点群データ) | STL | 面の分割程度により、データ精度が向上します。 |
2 | 面データ(メッシュ化処理) ソリッドデータ(ソリッド化処理) | STL, IGES, STEP | 基本は面(サーフェス)データですが、面が閉じればソリッドデータにする事も可能です。 |
3 | 形状置換データ (リバースエンジニアリング) | STL, IGES, STEP | 形状置換時には、お客様との擦り合わせにより、基準値及び公差等を決定していきます。 |
レベル3では実際にお客様と測定データを検証しながらモデルデータを作りこんでいくフェーズが
含まれます。
(円筒形状の測定データがφ90.002mmであれば、これをφ90.000に置き換える等の調整をしていきます)
この「Artec Spider」と「Design X」を組み合わせる事により、今までは難しかった⾃由曲⾯形状も含めた⾼精度なリバースエンジニアリングが可能となりました。
3Dスキャンサンプル
サンプル:ズキーニ
3Dスキャンのテストでデータ化した野菜(ズキーニ)のスキャンサンプルです。
滑らかな本体部分や、入り組んだヘタの部分等、質感までデータ化できています。
サンプル:人物の顔
テストでデータ化した人物の顔のスキャンサンプルです。
後述するように髪の毛はスキャンできませんが、肌の部分は精度良くスキャン可能です。
このような局面が入り組んだ形状もデータ化できるのが3Dスキャンの強みです。
3Dスキャンの注意点
「Artec Spider」は光学的な測定原理となります。
これにより下記のような制限がつきますので、予めご了承下さいますようお願いいたします。
・ ⾦属のなどの光沢⾯はそのままでは反射により測定精度が下がります。
このため、測定表⾯に探傷スプレー等を吹きかけての測定となります。
・ ⽑髪のような微細な凹凸は測定できない可能性があります。
この場合、塗料などにより固める事でまとまりとして測定することは可能です。
・ ⼤きな測定物は対応できない可能性があります(最⼤で400x400程度)
原理上は1mを超える⼤きな対象も測定できますが、位置合わせ精度が落ちます。
また、コンピュータの処理能⼒を超える⼤きなデータは扱えない可能があります。
・ アンダーカット形状等、光学的に測定できない箇所につきましては3Dモデル化できない可能性があります。
3Dスキャニング費⽤につきましては、お客様のご要求レベルによって⼤きな開きがでますので、その都度御⾒積となります。
3Dスキャンに関するお問い合わせ
3Dスキャンに関してご不明な点やご要望につきましては、下記までお気軽にお問い合わせください。
<お問い合わせ先>
株式会社⼩川製作所
営業・技術担当 ⼩川宛
TEL: 03-3657-4196
FAX: 03-3673-4755
Mail: info@ogawa-tech.jp