日本の経済統計と転換点
187 企業の負債と経済成長 - 企業の負債国際比較

企業は負債を増やして事業投資により付加価値を増大させ、利益を高めると共に、消費者でもある労働者への分配を増やしていく存在です。他国は企業の負債が右肩上がりで増大していくのに対して、日本は横ばいのままです。事業投資から金融・海外投資への企業の変質の一端が、このデータでも垣間見えると思います。

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186 増え続ける企業のお金 - 金融資産の国際比較

日本は企業の純金融資産が目減りしている事で「企業の変質」があきらかです。純金融資産は金融資産と負債との差額になります。どちらがどのように変化しているのかについても詳細を確認していく事は、企業がどのように活動を優先しているのかを知るうえで重要です。今回は、企業の「金融資産」について着目していきます。

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185 企業の変質は日本だけ? - 企業の純金融資産

日本経済の中で最も変質が顕著な「企業」についてフォーカスしてみます。まずは純金融負債の推移をみると、日本企業だけ目減りしている事がわかります。経済の状況と、自国企業の純金融負債が増えているかどうか、は密接に関係しているようです。

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163 住宅という家計の資産 - 住宅資産の国際比較

生産資産のうち、主に家計の固定資産である住宅について国際比較をします。日本では1997年の経済最盛期でも先進国で平均的な住宅の資産価値しかありませんでした。その後停滞が続き、現在ではOECD中23位で、平均値の半分近くにまで低迷しています。総固定資本形成というフローの停滞が、ストックの低迷に繋がっている事がわかります。

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161 生産資産の増えない日本 - 非金融資産の推移

国民の豊かさをストック面から見てみます。非金融資産のうち、土地などの非生産資産は日本は不動産バブルの影響を近年まで引きずってきました。一方で、機械設備や橋梁、住宅などの非生産資産は停滞が続いています。成長し続ける世界の中で、日本はフロー面だけでなくストック面でも停滞していることがわかります。

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156 株式は資産か負債か? - 企業の正味資産詳細

「株式」を負債側に計上する国民経済計算や日銀 資金循環統計と、負債側に計上しない法人企業統計調査で「株式」の扱いが異なるようです。企業が他社の株式を保有していても、日本全体として見れば資産と負債が相殺し合います。企業のやるべき投資とは金融投資ではなく、事業投資であるべきですね。

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155 ストック面で見る企業活動の停滞 - 企業の正味資産

国民経済計算のデータから、日本の民間企業についての資産・負債・正味資産について可視化します。法人企業統計調査では右肩上がりに増大する純資産も、国民経済計算のデータでは正味資産が停滞しているように見えます。株式と資産・負債の捉え方が影響しているようです。

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154 お金ばかり増える日本人 - 家計の正味資産

家計の純資産について着目してみます。日本は不動産バブルと言う特殊な事象を経験しましたので、不動産価値→非生産資産の大きな変化に目を奪われがちですが、その一方で停滞している生産資産にこそ着目すべきと思います。家計は純金融資産が緩やかに増えてはいますが、成長する世界の中ではやはり取り残されつつあるようです。

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153 民間の正味資産 - 国富と投資の関係とは?

民間部門と公的部門の資産・負債・正味資産を概観してみます。民間部門では、国富のうち最も重要な「生産資産」が停滞していて、純金融資産が増加しています。一方で、公的部門の純金融負債が増大しています。金融投資や政府の負債によって金融資産が増えていても、国富としての生産資産が増えていません。

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152 国富って何だろう? - 停滞する日本全体の正味資産

日本の国民・国家全体としての純資産=国富について注目してみます。バブル期の土地価格の急騰が国富を急激に増大させ、その後の土地価格減少と共に、国富が停滞している様子が窺えます。土地価格を除けば、実質上は緩やかですが国富が増加している事が確認できると思います。

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