067 測定:万能測定器具「ノギス」を使いこなそう!

測定 ノギス 特徴と使い方

1. ノギスとは

この記事では、部品製作で最も用いられる測定器具であるノギスの特徴や使い方について解説します。

ノギスとは、主に「長さ」や「幅」を測定する測定器具です。
外側だけでなく、内側の幅や、「深さ」も測れる万能測定器具と言えます。

ノギスさえあれば、多くの測定業務が可能ですので、製造や検査・品質保証担当者だけでなく、営業や設計の担当者としても使い方を覚えておくと様々な場面で役に立つでしょう。

ノギス(ダイヤル式)の外観や各部の名称は以下の通りです。

ノギス外観
ノギス外観

上の写真はダイヤル式のノギスですが、最近ではデジタル式のノギスを使う製造現場も多くなっています。

ダイヤル式は、より正確な測定値の読み取りができますが、ダイヤルの読み取り方についてはトレーニングが必要です。

デジタル式は、測定値がデジタルで表示され便利です。

ノギスの測定精度は、ノギスに記載されている1目盛当たりの読み取り精度によります。
精密加工用のノギスでは0.01mm単位の読み取りが可能です。

0.001mm単位での測定が必要な場合はノギスでは測定精度が不足するため、マイクロメータなど他の手段を用いることになります。

2. ノギスの使い方

ノギスは各部を使い分ける事で、以下のような測定が可能です。

ノギスの使い方

①外側測定
対象物の外側を外側用ジョウでつまみ、その長さや幅を測定します。

②内側測定
対象物の内側に内側用ジョウを押し広げるように当て、その長さや幅を測定します。

③深さ測定
対象物の縁にノギスの端を当て、デプスバーを底面に押し当てることで、その深さを測定します。

④段差測定
段差形状のそれぞれに段差測定面を押し当て、段差を測定します。

このように、ノギスの各部を使い分ける事で、多くの形状を測定する事が可能です。

3. 使用上の注意点

ノギスを使用して精度よく測定するためには、以下の点に注意しましょう。

①使用前に、ブロックゲージなど精度の保証されたものを測り、測定精度の確認をしましょう

ブロックゲージ

②測定環境(特に温度)は測定に大きな影響を与えますので、一定の室温(基本的に15~25°)の環境下で測定しましょう
 測定対象、ノギス共に十分に測定室内の環境温度に慣らしたうえで測定します

③測定の際には必要以上の力を加えてはいけません
 力が強いと、測定時の精度が低下します
 測定圧力は0.98~1.47N/m2(約100~150g)程度とするのが一般的です

④外側測定の際には、測定対象をできるだけ本尺に近い根元付近ではさみ、測定面全体を測定物に密着させます
 先端で挟んだり、密着しないまま挟むと測定誤差が生じやすくなります

外側測定例1
外側測定例2

⑤内側測定の場合は、内側用ジョウを測定箇所にできるだけ深く入れ、測定面全体を測定物に密着させます
 この時、内側用ジョウの先端で測定したり、傾けて測定すると測定精度が悪化します

内側測定例


  (a) 内側測定の場合は、測定値の最大値を求めます


  (b) 溝幅測定の場合は、測定値の最小値を求めます

溝幅測定

⑥深さ測定の場合は,測定する面に対してノギスを直角にセットします

深さ測定

⑦段差測定の場合は,段差測定面を測定物に密着させます

4. ダイヤルの読み方

近年ではデジタル式ノギスが普及し、測定時にはデジタル表示される数値を読み取るだけで済みます。
ただし、製造・検査現場ではダイヤル式の測定器具が使われることが少なくありません。

ダイヤル式の読み方についても覚えておくといざという時に役立ちます。

測定対象を測定した結果、上図のような状態となった場合の寸法の読み方は次のようになります。

① 1mm以上の単位を本尺から読み取る: 61mm
② 1mm以下の単位をダイヤル目盛から読み取る: 1目盛あたり0.01mmで、目盛は「87」なので0.87mm
③ ①と②を合計する: 61mm + 0.87mm = 61.87mm

5. ノギスの特徴

この記事では、ノギスの特徴について解説しました。

ノギスは外側寸法、内側寸法、深さ、段差と4種類の寸法を測定できる汎用性の高い測定器具です。

この記事でご紹介した注意点を踏まえ、精度よく測定できるように扱い方を習熟しておくことが重要です。

特に測定時に力んでしまうと、測定結果を歪めてしまいがちですので注意してください。

検査や製造の担当者でなくとも、是非その使い方を習得し、業務に生かせると良いのではないでしょうか。

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小川真由プロフィール画像

< 筆者紹介 >
2004年慶應義塾大学大学院修了後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)の航空宇宙カンパニーに入社し新規航空機の開発に携わる。5軸加工を中心とした精密機械加工業者での修行を経て、株式会社小川製作所に合流。
製缶・溶接・研磨加工、精密機械部品の製造・供給、機械設計・開発支援の3つの事業を手掛ける。WEBメディアを中心に、情報発信も積極的に行う。2024年よりNews Picksのプロピッカーとしても活動。

<主なWEBメディア掲載実績>
ミスミmeviy: 製造現場から褒められる部品設計の秘訣
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